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2018.01.23 (火)  

2年目に入ったトランプ大統領のアメリカ

 1月20日(土)、アメリカトランプ大統領の就任式から1年を迎えました。当時は夜エクスプレスを担当。生放送で就任式の様子を伝えつつ、あまりにも「アメリカ」を連呼する異色の大統領に不安を隠せなかったことを思い出します。しかしその不安とは裏腹に、株式相場は絶好調。2017年はNYダウ平均が71回も過去最高値を更新(史上最高記録です)、2018年に入っても2万5000ドル、2万6000ドルの大台を次々と突破し、上昇は加速する勢いです。

トランプ大統領のアメリカをどうみたらよいのか--。朝エクスプレスでは22日(月)に今村卓・丸紅経済研究所長、23日(火)には神山直樹・日興アセットマネジメントチーフストラテジストをお迎えして、「2年目に入ったトランプ大統領のアメリカ」について聞きました。

 今村さんは2016年秋まで約10年間、アメリカ駐在として政治経済の情報収集と発信をしていました。現地の生々しい雰囲気を肌身で感じています。トランプ政権の内幕を暴いた本として話題の「Fire&Fury」さながらに、政権の混乱は続いているとのこと。共和党内の支持は何とか保っているものの、今年11月の中間選挙では共和党の苦戦は必至、「支持者へのアピールとして保護主義的な政策を打ち出すといった懸念が付きまとう」とみています。

 一方、神山さんはこの1年の成果として「法人税減税」と「保護主義の後退」を挙げました。確かに法人税減税は少なくとも今年の米国経済に対する期待を高める大きな背景となっています。懸念された保護主義については、TPPからの脱退を除いて、具体的な動きには今のところ乏しいとの見立てです。もちろん今後の懸念ではあるわけですが。

 2人に共通の見解は、ざっくり言えば「トランプ大統領の就任や政策とは特に関係なく、アメリカ経済は現在非常によい状態にあるということ」です。金融危機から10年を経て、ようやく回復の道どりを確かにしつつあります。雇用が回復し、上がり方は鈍いけれども賃金が上昇、FRB(米連邦公開市場委員会)による利上げが今年も3回前後は見込まれています。欧州や新興国を含めた世界経済の好調さがこうした動きを支えます。

 年初早々、つなぎ予算を巡って4年ぶりに短期間とはいえ政府機関が閉鎖するなど、政権と政治の混乱は続きます。もちろん、北朝鮮や中東情勢を初めとする地学リスクへの対応の面では、トランプ政権と大統領が先行きのカギを握ります。そして金融政策。じりじりと上昇し始めた米国の長期金利は2.6%台半ばと約3年半ぶりの高水準。“適温相場”が微妙なバランスを崩しつつあるのか。それともいよいよ本格的な回復・成長に向かって進んでいるのか。今後もトランプ大統領とアメリカ経済・マーケットの動向から目が離せません。皮肉な見方ですが、早すぎる上昇ペースが警戒されるアメリカ株に対し、トランプ政権の混乱が適度に冷や水を浴びせることで上昇相場が続いている、というのが一つの理解の仕方なのかもしれません。

なお、こちらの模様は日経チャンネルマーケッツでビデオ・オン・デマンド(VOD)配信しています。見逃した方は是非、そちらでご覧ください。