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2018.02.16 (金) 吉野菜穂子

トランプ米大統領「予算教書」のインパクト

「暁エクスプレス」のアンカー、吉野菜穂子です。いつも早朝から「暁エクスプレス」をご覧くださり、ありがとうございます。

さて、2月14日(木)に久しぶりCompass Strategic Investments のCFO、トッド・ホーセイガーさんをゲストにお迎えしました。FEDウオッチャーとして様々なメディアに寄稿・出演されているので「暁エクスプレス」でも金融政策やFOMC関連のトピックを中心に質問をしています。一方で、ホーセイガーさんは、実は、同社の本拠地があるミネソタ州の産業界や金融界を代表し、ワシントンDCへ行き、ロビー活動も精力的にされています。こういったバックグラウンドから、実は14日には下記のトピックについてもインタビュー中にお聞きする予定で打ち合わせをしていましたが、あいにく、番組の時間が足りませんでした。そこで、ホーセイガーさんにお願いし、当日お伺いするつもりだった下記の質問に対し、メールで回答を頂きました。ご本人の了承を得て、本文と訳を掲載します。

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<質問>
トランプ米大統領は2月12日、4兆4000億ドル(約478兆円)規模の2019会計年度(18年10月-19年9月)予算教書を議会に提出しました。法人減税などにより税収が減る一方で、この予算で連邦政府の財政赤字は当然増えますが、長期金利はじめマーケットにどのように影響していくと見ていますか?

<ホーセイガーさんの回答>
The Trump administration budget proposed for the fiscal year ended in 2019 is planned to spend $4.4 trillion which is an increase of about 10% from the prior period budget.
トランプ政権の2019会計年度の予算案は、前年度比で約10%の増加となる4.4兆ドル規模だ。

The released infrastructure plan on February 12th calls for state local and private infrastructure investment of about $1.3T to be added to the $200B from the President’s federal infrastructure plan with a target of $1.5T. The plan also proposes to reduce the time for the permitting to get project approval.
2月12日に公表されたインフラ計画では、大統領は1兆5000億ドル規模を目標としたインフラ計画を推進するための、(連邦政府予算)2000億ドルに加え、州政府や地方自治体、民間セクターに対し1兆3000億ドルの投資を要請した。またこの計画では、インフラ建設プロジェクトの許可にかかる期間の縮小も盛り込まれている。

A few key drivers for the U.S. bond markets for 2018 come to mind. The first is the fiscal tax policies under tax reform and anticipated inflation rates. The tax policy potential impact on bond yields and related impact on 2018 future earnings forecasts may have both a positive and negative impact on price/earnings ratios and related valuations. The second is the impact of Federal Reserve monetary policy including inflation data on the yield curve and liquidity in the banking system. We are anticipating a slow and steady approach based on Mr. Jerome Powell’s statements and anticipate continuing support to the markets.
現在、2018年の米国債券市場の材料として考えられるのは
・新税制下の税制政策と期待インフレ率:
税制政策は潜在的に国債利回りに影響するし、2018年以降のPERや関連バリュエーションの観点で企業業績見通しにポジティブ・ネガティブの両方の材料になりえる。
・(イールドカーブ、銀行システムの流動性、インフレ率などのデータをベースに決定されるであろう)FRBの金融政策:
市場関係者はパウエル議長の声明から、引き続き緩やかで安定した緩和引き締めが行われることで、FRBが市場を支援する状態が続くことを見込んでいる。

We are optimistic about the 2018 U.S. bond and equity markets due to both U.S. fiscal tax policy and Federal Reserve monetary policy along with a solid global growth outlook. We will also be interested in the potential impact of infrastructure spending which was not a key focus in the tax reform package and is a part the 2018/2019 budget as recently released or may be a part of future legislation.
米国の税制政策およびFRBの金融政策、そして世界経済の見通しを鑑みると、2018年の債券、株式市場の動向については楽観的にとらえている。
ただ、税制改革案には含まれなかったが、先日公表された2019年会計案ではその一部として含まれたインフラ支出が、今後どのような影響を与えていくのか?については注目していきたい。

Will an increase in gross domestic product (GDP) generate added tax revenues to pay for some or all of the lost tax revenues? The Joint Committee on Taxation estimated tax reform cost on December 15, 2017 was about $136B for 2018 based on gross domestic product (GDP) growth in the 10-year forecast using 1.9% growth in GDP per year. The Federal Reserve forecast as of December, 2017 has a 2018 GDP forecast of 2.5%.
GDPの上昇により生じる税収入増が、(新税制下の)減税により減収となる分の一部、もしくは全てを補うことが出来るのか?2017年12月15日に両院税制委員会が公表した、10年間のGDP成長率見通しである「1.9%」を用いた試算では、赤字額は1360億ドルとなるが、FRBが2017年12月に公表した2018年の米国GDP成長率の見通しは2.5%となっている。


暁エクスプレス」では、火~金曜日の毎日、現地と電話で結び、アメリカに本拠を置く市場関係者に話を聞きます。是非、ご覧下さい。

暁エクスプレス
放送日:毎週火~金曜日
放送時間:5時59分~/6時59分~