第5弾《前編》
2018/11/28 公開
藤川里絵さんに聞きました!
「厳しい相場環境を乗り切るための個別銘柄選択術」
インタビュアー:「マーケッツのツボ」でおなじみ!鈴木雅光氏(有限会社JOYnt代表)
投資には厳しい相場環境の時が必ず訪れます。 そのような時に、個人投資家はどのようにしてそれを乗り越えれば良いのかについて、5年間で資産を10倍にした経験を持つ個人投資家、藤川里絵さんにうかがいました。

撮影:田川智彦
藤川 里絵
2010年より株式投資をはじめ、5年で自己資金を10倍に増やす。
7年間、年間の損益で負けなし。

日本最大のファイナンシャル教育機関である「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」、「株式投資スクール(旧・株式投資の学校)」など、多数の講座を担当。

特に「株式投資スクール」は、毎回100名以上が受講し、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。
―――株式投資を始めたきっかけは何だったのですか。
藤川 かれこれ10年以上も前になるのですが、お金に対して不安だったのです。

当時、元夫は自営業者で、アパレルの会社を経営していました。自営業者ですから収入は不安定です。

しかも、35年ローンでマンションを購入していました。その住宅ローンが完済されるのが70歳の時。
加えて子供の教育費が掛かりますし、いずれは親の介護という問題も出てきます。

もっと先のことを考えると、こうして住宅ローンや子供の教育費、親の介護に出費がかさんだ末、自分たちの老後資金が果たしてどのくらい残っているのか、という点に考えが及び、 預金でコツコツ積み立てるだけでは、到底間に合わないと思いました。

その時に出会ったのが、勝間和代さんが書いた「お金は銀行に預けるな」という本だったのです。
これをきっかけにして、インデックスファンドの積立投資を始めました。

ただ、インデックスファンドの積立投資って、結果がなかなか見えないじゃないですか。
日々の値動きが気にならなくて良いという意見もありますが、30年間くらい積み立てた後、実はほとんど殖えていなかったということになったら、ちょっとショックですよね。

かといって、そこからまた別な方法で殖やそうとしても、もう時間が残されていないじゃないですか。
なので、インデックスファンドの積立投資は継続するけれども、それに加えて株式投資にもチャレンジしようと思ったのです。

撮影:田川智彦
―――かといって、その時点ではまだ株式投資の知識がないわけですよね。始めるまでに、どのような準備期間があったのでしょうか。
藤川 実は、いろいろと紆余曲折があったのですが、まず元夫の会社が倒産寸前になりました。

会社の借金を個人保証していますから、倒産すると、まず35年ローンで買ったマンションが、差し押さえられる恐れがあります。なので、そうなる前にマンションは売却しました。

次に問題になるのは収入です。私の働きでは月15万円がせいぜいでした。家族4人で食べるには厳しく、何か収入になる仕事を探す必要がありました。
それで、まずは資産運用に興味もあったので、FPの資格を取ったのです。

ただ、資格を取ってもすぐに仕事が入ってくるわけではありません。

そこで横のつながりを持とうと考えて、FP会社が主催しているクラブに入会し、そのつながりで、ファイナンシャルアカデミーのアテンドの仕事に就きました。
ある日、そこが主催している「株式投資の学校(現・株式投資スクール)」という授業に立ち会ったのですが、講師の方のお話を伺っている時、 「ひょっとしたら、自分でも株式投資が出来るのではないか」と思ったのです。

それで、まずは100万円を株式投資の資金として証券会社に口座を作り、取引を始めたのです。それが2010年ですね。
―――スタートは順調でしたか。
藤川 株式投資を始めたタイミングが良かったのだと思います。

株式の学校で勉強させてもらった時期が、ちょうど民主党政権で、株価がボックスで推移していた厳しい時期でしたから、いよいよ勉強したことを試してみようとしたタイミングで、 安倍自民党政権に切り替わり、アベノミクスに対する期待感から、株価が上昇し始めました。
そのちょうど最初のところから入れたので、とても良かったと思います。

逆に、株式投資にチャレンジしてみようと思った時期に、勉強期間も設けずに株式市場に入っていたら、 民主党政権の時期だったので、なかなか儲からずに焦った挙句、2011年の東日本大震災による株価急落で大やけどをして、退場させられていたかも知れません。

100万円で始めたわけですが、それでは10%の利益率でも、10万円しか儲かりません。
それではなかなか殖えないということもあったので、途中からもう100万円を上乗せして、200万円を株式投資用の資金に回しました。

撮影:田川智彦
―――その後も株式投資用の資金は増やし続けているのですか。たとえば信用取引でレバレッジを掛けた投資などは行いますか。
藤川 もちろん、投資した株式の株価が上昇すれば、その分だけ資産が殖えるわけですから、株式投資用の資金も殖えていきます。

ただ、私は意識して億トレーダーになるのを目指すつもりはありません。
信用取引でレバレッジを高め、より大きな収益の獲得を目指せば、その分、大きく損するリスクも高まります。

もちろん、専業トレーダーとして高い収益を目指すことを否定するつもりはありません。
株式投資でもFXでも、大事なのは自分に合ったスタイルでトレードすることだと思います。

私の場合は、信用取引でレバレッジを高めてトレードをするというスタイルが向いていないと思うので、やらないだけです。

したがって専業トレーダーにもなりませんし、あくまでも趣味の範囲でトレードすることを心掛けています。
短期間のうちに株価が10倍になる必要はありませんし、「自分のお給料が20%くらい殖えるとうれしいな」というイメージで銘柄を探しています。

もちろん、10倍になればそれは嬉しいのですが、敢えてそれを狙おうとは思いません。
普通にお仕事を持っている人が億トレーダーを目指すと、大概は失敗します。
―――保有している全金融資産のうち、株式への配分はどの程度ですか。
藤川 株式市場の環境によりますね。

環境が良い時なら、全金融資産のうち50%くらいを株式に配分しますが、低迷している時は、20~30%程度しか投資しません。

株式への投資配分はアクティブに動かします。たとえば米国株が大きく下げた時など、朝から日本株も下げることが容易に分かるじゃないですか。 その時は持株の半分くらいを処分します。
そして、ある程度安くなったところで、前々から買おうと思ったけれども、株価が高くて買えなかった銘柄を、少しずつ仕込むようにしています。
塩漬け株を持ち続けるよりは、その方が精神衛生上も良いと思います。

あと、インデックスファンドの積立投資はずっと継続しています。
NISAやiDeCoなどの非課税枠をフルに活用し、MSCIコクサイというグローバル株式に分散投資したのと同じ投資効果が期待できるインデックスファンドで積立投資をしています。
鈴木 雅光
(すずき まさみつ)
岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。

投資信託や資産運用を中心にして雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサーとして220冊以上の単行本の企画・制作に関わる。

2018年3月まで、日経CNBC「マーケッツのツボ」の聞き手として出演。テレビ番組、ラジオ番組の企画・制作に加え、イベントの運営にも携わる。

またポッドキャストで展開している音声コンテンツ、「はるラジ」では、現在22万人もの登録者を集めている。
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