第5弾《後編》
2018/12/28 公開
藤川里絵さんに聞きました!
「厳しい相場環境を乗り切るための個別銘柄選択術」
インタビュアー:「マーケッツのツボ」でおなじみ!鈴木雅光氏(有限会社JOYnt代表)
投資には厳しい相場環境の時が必ず訪れます。 そのような時に、個人投資家はどのようにしてそれを乗り越えれば良いのかについて、5年間で資産を10倍にした経験を持つ個人投資家、藤川里絵さんにうかがいました。

撮影:田川智彦
藤川 里絵
2010年より株式投資をはじめ、5年で自己資金を10倍に増やす。
7年間、年間の損益で負けなし。

日本最大のファイナンシャル教育機関である「ファイナンシャルアカデミー」にて、「お金の教養スクール」、「株式投資スクール(旧・株式投資の学校)」など、多数の講座を担当。

特に「株式投資スクール」は、毎回100名以上が受講し、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。
―――個別銘柄を選ぶ際のポイントを教えて下さい。
藤川 大事なのは、業績が伸びている会社を選ぶこと。

とりあえず過去2年と来期の業績予想が伸びているかどうかをチェックします。なかでも営業利益は本業で得られる利益なので、重視しています。

あとはPERですね。出来るだけ割安なものを選びます。
具体的には、15倍以下のもの。出来れば10倍以下の銘柄で、営業利益などが着実に伸びている会社は買いだと判断します。

ただ、PERは別の視点からみると、投資家の期待度ともとれますから、低いだけでは株価は上がっていかないときもあります。

逆にPERが3桁近くてもグイグイ上がっていくものもあります。ですので、自分の持ち株のポートフォリオに、数銘柄は、あえてPERが高くても期待度の高いものも組み入れることにしています。

それともうひとつ、生活者目線を大事にしています。なので、自分で分からないような銘柄には投資しません。
自分が手にとって使えるもの、食べられるもの、行けるところであるのがポイントで、その点ではBtoC銘柄が中心になります。

具体的にはアパレルやネット系サービス、あるいは外食や小売りですね。いずれも自分で試すことが出来るものです。
実際に使ってみて、食べてみて、行ってみて、何回もリピートするような会社だと、1~2年先まで伸びるケースが多いと思います。

撮影:田川智彦
―――具体的に、これまで投資したなかで、藤川さんの視点で銘柄を選び、成功した事例を教えていただけますか。
藤川 たとえば、「ワンデーアキュビュー」で知られているコンタクトレンズメーカー、株式会社シードのケースですが、 上の娘が高校生になり、初めてのコンタクトレンズを買う時、お店の人から最初に勧められたのが、シードの「ワンデーピュア」でした。

酸素透過率が高く、紫外線もカット。そして、何よりも国内一貫生産なので、安全性が高い。お値段は少し高めですが、目に入れるものなので、親としては安心安全なものを選びたかったのです。

使い始めて1ヶ月後、もう少し割安な2weekタイプに変えてもよいとお医者さんに言われましたが、本人が拒否しました。
コンタクトレンズは1回使い出すと、常用したくなるので、これはなかなか良いビジネスモデルだと思い、そこで投資脳が働きました。

そういえば、当時小学校5年生だった下の娘のクラスでも、半分以上がメガネをかけているので、近視の人口が増えているようですし、 その子供たちが高校生になってコンタクトレンズにするようになったら、コンタクトレンズの需要がますます高まり、今後の成長が期待できると考えたのです。

実際、調べてみると業績はしっかり伸びています。2017年12月に3600円くらいで投資して、4月に7,500円で売りました。

あとは、女性にとって永遠のテーマともいうべき「ダイエット」に注目して、鳥越製粉株式会社。
糖質制限ダイエットが流行り始めた時、ローソンのパンコーナーで低糖質のブランシリーズのパンが登場しました。
私もそれをよく食べていたのですが、裏をみると製造会社名に鳥越製粉の社名が書かれており、注目した会社です。2017年の頭に800円で買って、2017年の11月に1000円で売りました。

もうひとつ、株式会社カチタスですが、お正月で実家に帰った時、同社の看板が出ているリフォーム中の家を見つけました。
ちょうど2017年12月に、名古屋証券取引所の新興市場であるセントレクスから、東証1部に市場変更されたばかりで、何となく会社名が記憶にあったため、気になって姉に聞いたところ、 最近、この近所でよく見かけるという話をしていました。

田舎には、高齢化で空き家になっている一軒家がたくさんあり、それをきれいにリノベーションして、新築よりも安く販売するというビジネスモデルには可能性があると思いました。
年収400万円という日本で最も多い所得層を対象にしているのに加え、ニトリという庶民派家具店とコラボしている点にも、興味をそそられました。
今年の2月に2500円で買い、4月に3500円で売りました。

撮影:田川智彦
―――利益確定、損切りのポイントを教えて下さい。
藤川 前に触れたように、米国株式が大きく下げている時にポジションを持っていたら、 ここから先、さらに10%くらい下げたとしても、自分にとっては許容範囲内というくらいまで、ポジションを下げます。

大体、保有している分の半分を売却するというイメージですね。これは全体の地合いが悪い時の緊急避難的な対処法です。

個別銘柄の利益確定、損切りに関しては、ファンダメンタルズとテクニカルの両方を使って判断するわけですが、利益確定に関しては目標株価を事前に決めておきます。
PERが割高になった水準で、かつテクニカルの節目で利益を確定させます。保有期間は数週間から数カ月のスイングトレードを基本にします。

一方、損切りをする時はテクニカルを重視します。移動平均線に注目し、押し目と思われる水準を割り込んだら、迷わず損切りします。
あと、買値から8%を超えないうちに損切りします。
なぜ8%かというと、多分に感覚的なのですが、5%は1日で下げることが結構あるので、許容範囲内と考えます。
でも、10%の下げになると損切り出来なくなり、そのうち株価を見なくなって塩漬けになります。塩漬けは絶対に避けるべきなので、そのちょうど良い水準が8%なのです。

あとリスク管理という点では、保有銘柄数が10銘柄を超えないようにしています。
それを超えてしまうと、目が届かなくなるからです。
これは人によって異なると思いますが、大事なのは、自分が常にウォッチできる範囲に、保有銘柄数を止めておくことです。
鈴木 雅光
(すずき まさみつ)
岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。

投資信託や資産運用を中心にして雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサーとして220冊以上の単行本の企画・制作に関わる。

2018年3月まで、日経CNBC「マーケッツのツボ」の聞き手として出演。テレビ番組、ラジオ番組の企画・制作に加え、イベントの運営にも携わる。

またポッドキャストで展開している音声コンテンツ、「はるラジ」では、現在22万人もの登録者を集めている。
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