第7弾《前編》
2019/1/30 公開
横山利香氏インタビュー「2019年の投資戦略は秋口まで様子見」
インタビュアー:「マーケッツのツボ」でおなじみ!鈴木雅光氏(有限会社JOYnt代表)
国内外の株式市場が大きく揺らいでいます。2018年のクリスマスは、日経平均株価が2万円を割り込みました。 なかには、ナンピンも含めて今がチャンスと考えて、買いに動いた個人トレーダーもいるでしょう。 果たして、その行動は正解なのでしょうか。2019年のマーケット見通しも含めて、株式トレーダーで、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリストの横山利香さんに、お話を伺いました。
横山 利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。相続士としても活動。

株式投資、不動産投資をメインに、為替やファンドなど、幅広い金融商品への投資を日々実践し、その経験を基に株式投資や不動産投資、外貨投資、投資信託、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾、相談業務などを行っている。
―――昨年、2018年12月に入ってから、株価が大きく調整しました。株価はピークを付けたと考えてよろしいでしょうか。
横山 2018年を振り返ると、私自身は早い時点でアベノミクスは終わったと判断していて、2019年の早い段階で大きく下げるだろうと見ていました。
2万円割れが少し早くやってきましたが、2019年も同じように下げトレンドでしょう。
なので、これまでと同じやり方に固執していては、ここからはマーケットからの退場を余儀なくされるトレーダーが出てくる可能性もあると思います。
―――個人トレーダーにとっては厳しい1年でした。
横山 ちょっと厳しい言い方になりますが、相場は辺り一面、血の海になって初めて立ち直ります。
個人トレーダーの間では、今年5000万円くらいの損失を被って、「もう二度とここには戻って来ない」などとツイートをして、株式市場から去った人もいるといった話を聞きます。
2006年に起きたライブドアショックやリーマンショックの時も同じでした。

今、株式市場で取引している個人トレーダーの多くが、アベノミクス以降に入ってきた方です。
投資セミナーなどにいらっしゃった方と話をすると分かります。特にこの1、2年は、その傾向が強まっています。
2013年、2014年あたりは、「かれこれ10年くらいトレードしています」という方が結構いらっしゃったのですが、そういう人たちは、このアベノミクス相場で資産を結構殖やしたので、今年は積極的にトレードせず、お休みという人が多いです。

結果、セミナーなどに参加して勉強し、積極的にトレードしているのは、2013年から始まったアベノミクス相場以降にトレードを始めたような人が大半です。
2014年くらいから株式市場に入ってきた個人トレーダーにとって最初の試練は、2016年のチャイナショックでした。

これをきっかけにして「もっと勉強しなきゃ」と思った方が、株式投資セミナーなどに積極的に参加するようになったのでしょう。
その時にしっかりと投資手法を確立した人はいいですが、この1、2年で株式市場に参加した個人トレーダーにとって2018年は、とても厳しい環境だったのではないかと思います。
―――そんなに大勢の退場者が出るのでしょうか?
横山 それなりに出るのではないかと思います。
たとえば、2014年あたりから始めた個人トレーダーの方は、2018年10月に株価が少し調整したようなあたりでナンピン買いを入れたりしています。
何のナンピン買いかというと、2017年の上昇相場の高値圏で買った分に対するものです。 あの上昇相場で新たなポジションを作ったものの、2018年に入ってからの調整局面で損失を被り、損切りするべきか、塩漬けにするべきかで悩んでいたところに、2018年10月の調整がやってきました。
ようやく株価は底を打って、ここから本格的に上昇すると思って、ナンピン買いした人もそれなりにいると思います。

でも、2017年の高値水準で買った銘柄に対するナンピンは、相場サイクルが終盤だったこともあり、日経平均株価が高値を更新しても追いつかない可能性が考えられるでしょう。 銘柄選別が悪いだけでなく、タイミングも悪かった。適当なナンピンでは全く効果が発揮できませんから、2万円割れでさらに損失が膨らんでいる状態でしょう。 相当図太くなければ、多くの個人トレーダーは心が折れてしまっても不思議はありません。

ただ、これが相場の厳しいところでもあるのですが、大勢の退場者が出て、新しい投資が入ってこない限り、新しい相場は生まれないのも事実なのです。
したがって、単に上昇相場に乗っているにすぎないのに、自分は天才などと勘違いしているような人の多くが厳しい状況を強いられて、初めて売りが一巡するでしょう。
何度も安くなれば買いが入ってくる状態が終わって売り圧力が後退し、ようやく次の上昇ステージに移行していくと考えています。
―――ちなみに横山さんは、今の環境においてどう対応し、利益を上げようと考えているのですか。
横山 今、買っているのはあくまでも短期トレードと割り切っています。
一方で長く持っている銘柄もありますが、それは安く仕込めたものだけです。
2013年から始まったアベノミクス相場で資産を大きく殖やした個人トレーダーの多くは、2018年に入ってからほとんどポジションを持っていないか、トレード回数を減らしています。 皆、休んでいます。なぜなら、下手に入るとどんどん削られる相場だからです。
とにかく今は、利益をどんどん積み上げていける環境ではないので、何もしないのがベターではないでしょうか。それも戦略なのです。
鈴木 雅光
(すずき まさみつ)
岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。

投資信託や資産運用を中心にして雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサーとして220冊以上の単行本の企画・制作に関わる。

2018年3月まで、日経CNBC「マーケッツのツボ」の聞き手として出演。テレビ番組、ラジオ番組の企画・制作に加え、イベントの運営にも携わる。

またポッドキャストで展開している音声コンテンツ、「はるラジ」では、現在22万人もの登録者を集めている。
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