第7弾《後編》
2019/2/25 公開
横山利香氏インタビュー「2019年の投資戦略は秋口まで様子見」
インタビュアー:「マーケッツのツボ」でおなじみ!鈴木雅光氏(有限会社JOYnt代表)
国内外の株式市場が大きく揺らいでいます。2018年のクリスマスは、日経平均株価が2万円を割り込みました。 なかには、ナンピンも含めて今がチャンスと考えて、買いに動いた個人トレーダーもいるでしょう。 果たして、その行動は正解なのでしょうか。2019年のマーケット見通しも含めて、株式トレーダーで、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリストの横山利香さんに、お話を伺いました。
横山 利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。相続士としても活動。

株式投資、不動産投資をメインに、為替やファンドなど、幅広い金融商品への投資を日々実践し、その経験を基に株式投資や不動産投資、外貨投資、投資信託、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾、相談業務などを行っている。
―――短期トレードの銘柄、長く持っている銘柄のそれぞれについて、どういう観点で選んでいるのかを教えて下さい。
横山 まず銘柄選びの基本は、短期トレードでも中長期トレードでも、業績が今後も伸びると思われるものです。
アベノミクスで上がってきたような銘柄はダメです。これからの相場は、世界的に景気全般が悪いなかで下降トレンドが続くとみていますから、強い業績が今後も期待できるような銘柄でないと、マーケット全体の下げにつられて、一緒に安くなってしまいます。
なので、短期トレードと割り切っても、ファンダメンタルズの良いものであるのが最低条件になります。

具体的に言えば、国策に沿った銘柄などは強いでしょう。特に公共セクターから売上を得ているような企業であれば、なおのことです。
あくまでも短期トレードなので、入る時、出る時はいずれもテクニカルで判断してください。

次に、こういう相場でも長く持てる銘柄の条件ですが、大きな時代の流れを反映したものがテーマになります。
たとえば、ここ1年ほど私は孫正義氏の情報革命という考え方に賛同しているので、情報革命というテーマにそって、割安な株価で仕込むことができた銘柄を長期で持つようにしています。
ちなみに、ここで申し上げている「長期」の時間軸は、半年から1年程度ですから、まぁ、短いと考える人もいるかもしれませんが。
―――12月の下げで損をした人は、これからどうすれば良いのでしょうか。
横山 今の相場で損失が生じているのは、アベノミクス相場による株価の底上げに乗るようなトレードしかしていないからです。

要するに、誰もが儲かる相場でただ波に乗って儲けているだけですから、相場が下降トレンドに入れば、損失を被るのは自明です。
損した人が今、すべきことは、銘柄を選ぶポイントを見直すことでしょう。
企業情報を徹底的に読み込み、時代のテーマを見誤らないこと。前述したように、情報革命はもちろんのこと、今の日本社会を見れば超高齢社会ですから、介護などヘルスケア関連も大きなテーマになり得ると思います。
大きな時代の流れを読み解き、そのなかで中心的な企業はどこなのかという流れで、個別銘柄に落とし込んでいくのです。

そして、投資したいと思える個別銘柄が固まったら、次はテクニカルです。
いくら時代の流れに合った、優良な企業を見つけたとしても、投資するタイミングを見誤ったら何にもなりません。
良い銘柄をいかに安い株価で仕込むことが出来るか。そのためには、テクニカルを勉強する必要があります。
大きな時代の流れを読む。そのテーマの中で、将来的に大きく伸びると思われる企業を見つける。
そして、テクニカルで投資するタイミングをはかる。この3つのポイントを押さえておけば、12月に起こった株価急落のような状況に直面しても、テクニカルを活用できれば安易に下落途中で買うこともありませんし、戻り高値でしっかりと利益確定できたでしょうから、資産を大きく減らすようなことはないのではないかと思います。
―――2019年の投資戦略はどう考えていますか。
横山 もし短期売買が苦手で、中長期保有を前提にしているのであれば、今の時点でポジションを持っていないのなら、まずは高みの見物でも良いのいではないかと思います。
恐らく2019年も厳しい相場が続く可能性が高いでしょう。そんな時に、わざわざ大きなリスクを取る必要はありません。投資するならば、あくまでも短い時間軸を前提にするべきです。
この下げ相場の転換点は、米国だと思います。

2020年は大統領選挙の年です。トランプ政権に二期目があるかどうかは分かりませんが、大統領選挙にどのような候補者が出てくるかについては、その後の世界経済の顔になるわけですから、注視しておいた方が良いでしょう。
候補者次第では、先々に対する期待感から、米国の株価が底を打ち、上昇に転じる可能性も出てきます。
日本株が反転するとしたら、そのタイミングだと思いますが、そうなると少し長い時間軸での戦略を考えておく必要があるかもしれません。

とにかく、2019年は米国株の下落でツレ安になる恐れが高いうえに、秋口は消費税率の引き上げも予定されています。
投資資金を大きく減らさなければチャンスはいつでもありますから、ある程度、キャッシュを確保しているならば、2019年の秋口くらいまでは様子見のスタンスでも良いかもしれませんね。
鈴木 雅光
(すずき まさみつ)
岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。

投資信託や資産運用を中心にして雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサーとして220冊以上の単行本の企画・制作に関わる。

2018年3月まで、日経CNBC「マーケッツのツボ」の聞き手として出演。テレビ番組、ラジオ番組の企画・制作に加え、イベントの運営にも携わる。

またポッドキャストで展開している音声コンテンツ、「はるラジ」では、現在22万人もの登録者を集めている。
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