第10弾《後編》
2019/5/15 公開
内田衛氏インタビュー「注目テーマはキャッシュレス社会とネット通販」
聞き手:「マーケッツのツボ」でおなじみ!鈴木雅光氏(有限会社JOYnt代表)
昨年末にかけて株価は急落。その後、世界的に景気はスローダウンすると言われながらも、株価は徐々に回復してきています。 投資家としては、今のこの動きに乗るべきか、それとも慎重に下げ相場を待つべきか、悩ましいところでしょう。 実績を上げている個人投資家は今、何を考え、どう動こうとしているのでしょうか。投資家として34年のキャリアを持つ内田衛氏に話を伺いました。
内田衛(うちだ まもる)
大学卒業後、大手生命保険会社に勤務。
現在は専業投資家。

株式投資は高校時代からで、34年のキャリアを持つ。
平成バブルの崩壊、リーマンショック、東日本震災など、数多くの相場の修羅場を凌ぎながら、着実に資産を殖やしている。
―――内田さんは今、どのような投資をしているのですか。
内田氏基本的には株主優待狙いの銘柄と、値上がり益狙いの銘柄に分けて保有しています。

株主優待銘柄は、優待の上限に達するところまでの株数を買って保有します。

これに対して値上がり益狙いの銘柄ですが、こちらは流動性が高くて、かつ配当利回りの高い銘柄を探します。
値上がり益狙いですから、中小型株式のように値動きの軽いものでも良いのですが、それなりの株数で投資すると、利益確定する際に、自分の売りで株価を下げることになるので大変です。
なので、銘柄を選ぶ際には業績も大事ですが、それと共に流動性もチェックします。
―――投資で失敗しないための銘柄選びのポイントは何でしょうか。
内田氏業績の予想がしやすいものを選んでいます。

もうちょっと具体的に申し上げますと、2~3年後の業績が予想しやすい銘柄ですね。
大事なのは、これから2~3年後にかけて伸びると思われる会社に投資することなのですが、多くの個人投資家は、なぜか今、業績が絶好調の会社に投資してしまいます。

確かに、業績が絶好調で株価もぐんぐん伸びている会社を見ると、投資してみたくなりますが、この手の株式に手を出すと、買った瞬間が高値だったりします。
高値を掴めば、あとは株価が下がるだけですから、損失を抱え込むことになります。

あと、輸出型企業には投資しません。理由は、よく分からないからです。
輸出型企業の場合、為替レートの値動きに業績が左右されますし、輸出先となる海外諸国の景気による影響も考慮に入れる必要があります。
業績を左右する変数が多いぶん、2~3年後の業績が予想しにくくなります。なので、輸出企業には投資しません。
私が持っている銘柄は基本的に内需のものばかりです。
―――しかし、内需だと日本経済が人口減少でシュリンクするなかで高い成長が期待できず、株価的にも魅力がないのではありませんか。
内田氏そう考える方は多いと思います。

確かに、今の日本は超高齢社会で、いよいよ人口減少が本格化してきました。
人口が減るということは、国内の需要が後退するわけですから、確かに内需関連企業は弱いと考えるのも無理はありません。

ただ、人口減少社会でも伸びるビジネスはあります。

たとえばキャッシュレス社会なんてどうでしょうか。
今、日本国内で行われている決済全体に占めるキャッシュレス決済の比率は2割と言われています。
政府は、これを4割まで引き上げたいと考えています。 来年は東京オリンピックも開催されますから、外国人観光客が日本国内で決済するのにキャッシュレスが整備されていないのは問題だと思います。
ここは政府も力を入れて推進してくるでしょう。

そう考えると、人口減少社会で内需が弱いといっても、キャッシュレス関連の企業は今後、マーケットが大きく拡大していくと考えられます。
国策に売りなしという相場格言がありますが、キャッシュレス社会はまさに国策です。

あとネット通販だってまだまだ伸びしろがあります。そう考えれば物流関係だって成長が期待できるでしょう。
キャッシュレス社会とネット通販は、この先、まだ成長余地があるだけに、中長期で保有するには妙味があると考えています。

―――ありがとうございました。
鈴木 雅光
(すずき まさみつ)
岡三証券、公社債新聞社の記者などを経て独立し、有限会社JOYntを設立。

投資信託や資産運用を中心にして雑誌やオンラインメディアに寄稿する他、出版プロデューサーとして220冊以上の単行本の企画・制作に関わる。

2018年3月まで、日経CNBC「マーケッツのツボ」の聞き手として出演。テレビ番組、ラジオ番組の企画・制作に加え、イベントの運営にも携わる。

またポッドキャストで展開している音声コンテンツ、「はるラジ」では、現在22万人もの登録者を集めている。
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