今、熱が出たら、体調が悪いと感じたら? どうしても「新型コロナでは?」と気になってしまいます。新型コロナとインフルエンザの同時流行は? そして、体調が悪い時はどうすればいいのでしょうか?
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舘田一博(たてだ・かずひろ)さん
東邦大学 医学部 微生物・感染症学講座 教授
日本感染症学会 理事長
政府新型コロナウイルス感染症対策分科会 構成員 -
小原道子(おばら・みちこ)さん
ウエルシアHD株式会社 会長付 地域連携推進担当部長
岐阜薬科大学 地域医療薬学寄付講座 特任教授
日本ヘルスケア協会 理事
「コロナの冬」がやって来た!
インフルエンザとの同時流行は?

小原 冬が到来し、新型コロナウイルスの感染に不安を抱える毎日です。さらにインフルエンザの流行も気になります。同時流行は起こり得るのですか?
舘田 ご存じの通り、冬はもともとインフルエンザ流行のシーズンです。同時に、新型ではない、風邪の原因となるコロナウイルス感染症が流行するシーズンでもあります。インフルエンザと新型コロナが同時に流行するリスクは高くなってくると考えなければいけません。
小原 もともと、なぜ寒い時期にインフルエンザやコロナなどの感染症が流行してしまうのでしょうか?
舘田 気温と湿度の関係が非常に重要になります。生物学的に、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、日本では通常毎年秋冬に流行します。もちろん時期によって流行の波の大きさに違いはありますが、夏に向かってはいったん下がっていき、再び寒くなると流行するわけです。
小原 ということですと、今年(2020年)の夏に、新型コロナの第2波が来たのは意外だったということなんですね。
舘田 はい。新型コロナといってもあくまでコロナウイルスですから、私どもも第2波は秋冬に来るだろうと考えていたのですが、予想外でした。やはり「新型」なのだなというところを感じています。
小原 夏に増えた原因はすでに分かっているのでしょうか?
舘田 現状では、通常の風邪を起こすコロナウイルスとは遺伝子の違いがあるから、もしくは、私たちに新型コロナの免疫が全くないため夏でも感染を起こしやすかった……などの可能性が考えられます。それでも、夏より秋冬の方が流行しやすいとは言えるでしょう。
小原 この冬、インフルエンザの予防接種などは積極的に受けておいた方がいいのでしょうか?
舘田 そうですね。すでにワクチンがあって予防できるものは、前もって手を打っておくことが大事ですし、後で症状が出たとき、鑑別の助けにもなります。
特にお年寄り、子どもたち、介護施設に入っている方たちに関しては、早めにインフルエンザワクチンを接種すると同時に、手指衛生、接触感染防止策などを引き続き徹底していくことが大切です。
コロナとインフル、どう見分ける?
体調が悪化したらどうすれば?

小原 この冬、もしも体調が悪くなったとしたら、新型コロナなのかインフルエンザなのかとても気になります。症状の見分け方はあるのでしょうか。
舘田 インフルエンザは実際に経験した方も多いと思います。突然の発熱・高熱、筋肉痛があり、周囲にすでにインフルエンザにかかった人がいるような場合では、まずインフルエンザを疑わなければいけないでしょう。
一方で新型コロナウイルス感染症は、だるさが出て、微熱が長く続く、そして嗅覚味覚の症状が臨床的な特徴です。また、新型コロナに感染した人と接触した場合には、まず新型コロナを疑っていくことになるでしょう。
小原 確かに、新型コロナの症状として筋肉痛や関節痛は聞きませんね。
舘田 全くないというわけではありませんが、インフルエンザの時に感じる、あの突然の高熱、筋肉痛、関節痛があるなら、まずインフルエンザを疑うということでいいでしょう。
小原 もしも発熱があって、風邪、あるいは新型コロナなのかインフルエンザなのか自分では判断できない場合、医療機関で同時に検査を受けることはできるのでしょうか?
舘田 まずは、相談の上でかかりつけの開業医の先生を受診されるといいでしょう。第1波の時よりも開業医の先生が診断できる準備が整っていますし、医師会のPCR検査センターもあって、検査までできます。早めに受診していただきたいですね。
ただ、自覚症状はないけれど何となく不安……という場合は、冷静にしばらくは家で様子を見ていただきたいと思います。
小原 私たち薬局の場合でも、風邪の症状を訴えてお薬を買いに来られた方に、そのまま市販の一般薬をお売りしていいのか、受診を勧めるかどうか少し迷うこともあります。
舘田 薬剤師の先生方は知識と経験をお持ちですから、不安な方はまずかかりつけの薬剤師の先生に相談して、市販の薬を飲みながら家で安静にしているべきか、かかりつけの先生に診ていただいた方がいいかアドバイスを受けるのもいいですよね。
患者さんの中には、どうしても不安になってしまう方もいますし、全く反対に、不安にならず油断をしてしまう人もいるわけです。周囲でそういう人を見つけたら、まずは薬剤師の先生に相談し、アドバイスを受けられるようにすることも大事だと思います。
小原 そうですね。この新型コロナを通じて、私たち薬剤師も、医療に携わる上で新しい視点の仕事が一つ増えたような気がします。
舘田 まさに医療に携わるみんなが、協力し、連携しながら、このコロナと向き合っていくことが大切ですね。
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